こんにちは。
公務員投資家のしゃしゃーんです。(@shashaan0317)
最近、友人や知人から「投資を教えて!」「新NISAって何?」と聞かれることが増えてきました。
そこで、友人に向けた「新NISAの全て」というパワポ資料を作成しました。
今回はその資料の解説ブログになります。
これから投資を始めたい人にとっては役に立つ資料だと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
※かなり長い記事になりました。興味のある所のみご覧いただいても構いません
この記事を読んでわかること💡
・新NISAの全てがわかる
それではいきましょう!
はじめに
まず、はじめにですが
・投資に「絶対」はない
・自分のお金で運用する(人に預けない)
・常に自分で勉強する(人の意見を鵜呑みにしない)
この3点は押さえておいた方がいいと思います。
投資に「絶対」はない
読んで字の如く、投資に「絶対」ということはありません
「絶対利益が出る」とも言えませんし、「絶対損失が出る」とも言えません
この後解説していきますが、トータルとしてはプラスになる可能性が高いですが、
それでも、「リーマンショック」や「コロナショック」などの暴落は避けることができません
以上のことをよく頭に入れておきましょう
また、「絶対儲かる」と近づいてくる人は大抵詐欺師なのでご注意ください
自分のお金で運用する(人に預けない)
これも非常に大切な考え方です
自分の大切なお金を人に預けて運用してもらうことは非常に危険です
私も、人にお金を預けて損失を出した経験があります。少額の被害で済んだので、勉強代だと思って泣き寝入りしました。
自分のお金は自分で運用する
これも肝に銘じておいてください
また、自分がよく理解していない銘柄に投資することもやめましょう
利益率にのみ惹かれて投資すると大きく損失が出てしまったり、詐欺被害などに遭ってしまいます
常に自分で勉強する(人の意見を鵜呑みにしない)
この考え方も非常に重要です
投資初心者のうちは、Youtuberやブログなどでオススメされた投資商品を購入することが多いと思います(私もそうでした)
始めのうちはそれでもいいと思いますが、少しずつでいいので自分でも投資について勉強していくようにしましょう
そうすることで、新たな投資商品が出た際や暴落時などに自分で対処することができるようになります
結論
結論から言います
新NISAは「早く1800万円分のインデックスを買った人が勝利するゲーム」です
この一文で理解できた方についてはこの先の記事を読む必要はありません。笑
以下はこの結論に至るまでの解説になります
少々強引な気もしますがあながち間違いでもないと思っています
そもそも投資とは?
投資とは?
そもそも投資とは自分の資産を会社や世界の市場に託して、その利益を受け取ること
「はじめに」に書いた「人に預けない」との違いは
知人や詐欺師のように比較的近い存在ではなく、
会社や世界の市場などの大きい存在だという点です
また、「投資」と「投機」の違いも理解しなければいけません
「投資」とは時間をかけて運用していくもの
「投機」とは短期間でギャンブル的な運用でお金を増やしていくこと
短期取引の代表にはFXがありますが、投資初心者は避けましょう(FX投資が悪いと言っているわけではありません)
投資のイメージは悪い
友人に投資やNISAの話をすると必ずと言っていいほど「怪しい」「詐欺でしょ?」と言われます。笑
そのくらい世間の投資に対するイメージは悪いです
私の勝手な憶測ですが、本屋で「100万円を1億円にする方法」などの書籍があったり、
有名人が投資詐欺で何億円も騙された記事がワイドショーを賑わしたり、
そういった情報が溢れているからなのではないかと思います
投資は怪しくない
かくゆう私も2021年に投資と出会うまでは怪しいと思っていました
しかし、いざ始めて勉強してみるとそうではないことがわかりました
投資は決して怪しいものではないと
この記事を読んでいただけた方々に届けばいいと思っています
投資を始める前に必要なこと
生活防衛資金の確保
この記事を読んで、いきなり「全財産投資だ!」となるのは待ってください!
まずは「生活防衛資金」の確保をオススメします
「生活防衛資金」とは現在の収入がなくなってもある程度生活できる資金のことで
大体、ひと月の生活費の6ヶ月〜2年分の資金のことを指します
まずは自分が毎月いくら使っているかを正確に知ることも必要ですね
詳しくは過去に以下の記事も書いているので参考にしてください
投資は生活防衛資金を確保してから
投資を行うのは生活防衛資金を貯めてから行うようにしましょう
投資は損益額の上下動が激しいこともあります
余裕資金で投資しないと、日々の変動額に一喜一憂してしまいます
ただ、現在貯蓄がほとんどなく、投資をすぐにでも始めたい人もいると思います
そんな方は、貯蓄をしながらも、毎月1000円や1万円からなど少額から投資を始めることをオススメします
投資は余剰資金で
投資は生活防衛資金以外の余剰資金で行うようにしましょう
リーマンショックやコロナショックでは30%〜50%ほど株価が下落しました
生活防衛資金を確保せずに投資を行うと、暴落が来た時に保有している株式などを売却してしまうことになりかねません
そうなってしまっては長期投資とは言えないので、初めのうちは最悪無くなってもいいと思える資金で行うようにしましょう
インフレに対応できない
インフレーションとは?
インフレーション(以下インフレ)とは、簡単に言えば物価の上昇を示します
例として、10年前は100円だったものが今は200円になったとします
つまり、物価が2倍になったということです
給与が今のまま変わらないとしたら、10年前と比べて買えるものが半分になってしまいます
実際は給与も上昇していくはずなのでそこまで極端なことは起きづらいと思いますが、
現在の日本では、給与がほぼ横ばいの「失われた30年」などと言われ、ここに近年のインフレが加わりますます将来が不安になってきています
預金だけではどうにもならない
現在のメガバンクの預金金利は0.001%ほどです
これは、100万円を1年間預けても「10円」にしかならない計算です
いかに金利が低いかがわかると思います
1970年代には預金金利4%を超える時代もありました
100万円を預ければ1年後に4万円もらえます
今とは雲泥の差です
また、親世代が「貯金しなさい」と言う理由はここにあると思っています
昔は貯金するだけでお金が増えた時代だったので、貯金は重要であったと思います
しかし、今は超低金利の時代
貯金は生活防衛資金の点で大事ですが、
それ以外は「増やす」と言う点ではほぼ絶望的な状況です
そこで、投資が必要になってきます
のちに紹介する「オルカン」や「S&P500」と言われる指数は
過去を振り返ってみると年平均10%ほどの成長率を誇っています
https://www.businessinsider.jp/post-256239#:~:text=S%26P500は1957年に,することが有効だ%E3%80%82
だからこそ、投資が必要なのです
単利と複利
単利と複利を理解しよう
大前提として「単利」と「複利」を理解しておいた方がよいでしょう
単利というのは「元本」にのみ利息がついていく仕組み
一方、複利というのは「元本と利息を合わせたもの」に利息がついていく仕組み
まず単利の場合です
画像を例に、元本100万円、年利3%の場合の利息について考えてみましょう
1年目は元本100万円に対して3%の利息、つまり3万円が利息として手に入ります
合計は103万円です
2年目も元本100万円に対して3%の利息、またしても3万円の利息が入ります
これで合計106万円
これが延々と続きます
つまり5年目も利息3万円を手にいれ
合計は115万円になります(15万円の利息がついた)
続いて複利です
ちょっとした数学になりますがついてきてください
1年目については元本は単利と同じ100万円なので、
単利の時と同じく利息3%で3万円手に入ります
合計は103万円です
2年目ですが、単利とは違い、元本と利息の合計103万円に対して3%の利息が付きます
つまり利息は3万900円になります(103万✖️3%)
単利に比べると900円利息が多くなりました
合計は106万900円です
3年目については106万900円に対して3%の利息
つまり31,827円の利息が付きます
合計は109万2,727円です
こうして計算していき5年目には利息が33,765円
合計115万9,274円になりました
単利と比べると約1万円差がついています
単利と複利の違いが理解できたでしょうか
数学的には単利は1次関数(直線)、複利は2次関数(曲線)と言われます
以下の画像を参考にしてください
説明が長くなりましたが、投資の世界では複利の力が働くので
資産を増やしていくのに非常に効率的だとわかります
複利の方が圧倒的に有利
次に時間軸を長くとってみることにします
上の図は元本100万円、年利3%は変えずに投資期間を20年まで伸ばしてグラフにしたものです
20年後の利息の合計は単利が60万円、複利が80万6,111円となります
利息の合計額に約20万円の差が生まれました
投資期間や年利が変わると差がどんどん開いていくことが理解できると思います
老後2000万円問題の罠
老後2000万円問題の答え
2019年、世間に衝撃的なインパクトを残した「老後2000万円問題」
「老後2000万円問題」とはいったい何だったのでしょうか
結論から言うと「いくら必要かは人による」が答えになります
これではあまりにも雑なのでもう少し詳しく説明すると
老後の月々の支出は各世帯によって全く違うので、
自分で必要支出を見積もって貯金や資産運用をして備えておくことが大切ということになります
詳しくは過去にも記事を書いているので、以下を参考にしてください
老後2000万円では済まない可能性
先ほどインフレについて説明しましたが、
もし仮にインフレが年に1%で推移していくと仮定すると
お金の価値としては年に1%ずつ下がっていくことになります
どう言うことかというと、今年100円で買えていたものが
インフレによって来年には101円になると
1%分値段が上がってしまったのでお金の価値としては下がったことになります
例えば、今40歳で20年後の60歳を老後と仮定すると
20年間で約20%ものの値段が上昇することになります
そうなると2000万円ではなく20%多い2400万円もの大金を準備しなければいけないことになります
NISAとは?
お待たせしました
ここからやっとNISAの話です
元々はイギリスの制度がモデル
NISAとは日本語にすると「少額投資非課税制度」の略になります
イギリスのISA( Individual Savings Account = 個人貯蓄口座)
をモデルとして
日本版ISA( Nippon Individual Savings Account )と言うことでNISAと呼ばれています
なぜJISA( Japan Individual Savings Account )ではなかったのかは私もよくわかりません
調べても出てきませんでした
JISAよりNISAの方が語呂がよかったのかもしれませんね
NISAの仕組み
NISAとは投資で得た利益に対して税金がかからないという制度です
通常、投資で利益が出た場合、20.315%の税金がかかります
内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%となっています
わかりやすく税金を約20%とすると
元本100万円で運用していた投資商品が200万円になった時
利益は100万円です
その利益100万円に対して20%、つまり20万円が税金として引かれます
つまり、元本の100万円と税引後の利益の80万円を合わせた180万円が手元に残ることになります
しかし、「NISA」制度を使えばこの20%の税金部分に対しては非課税でいいですよという制度なので
先ほどと同じ100万円元本で200万円になった時の利益100万円はそのまま受け取れます
では全部NISAで運用すればいいじゃないかということになりますが
NISAには「投資限度額」が定められているのでそれ以上の金額については課税されてしまいます
これはよく考えてみると当然のような気もしますが、
例えば、1億円運用しているAさんと100万円運用しているBさんがいて
2人とも全ての運用益が非課税だとすると
仮に5%の利益が出た時に
Aさんは500万円の利益、Bさんは5万円の利益が出ます
5万円と500万円ではあまりにも平等性に欠けてしまいますね
限度額を設けることは平等という観点から設定されている気がします
NISAは何人やってるか?
口座開設数はわずか1290万口座
NISAの口座開設数は2023年6月末時点で1,290万口座だそうです
これは日本人口(約1億2600万人)の約10%にあたります
ちなみに、2016年から始まったマイナンバー制度のカード発行数は8,815万枚で人口の約70%だそうです
NISA制度は2014年に始まりました
大体同じ時期に始まった制度ですが随分と普及率に差がありますね
始めるだけで国民の上位10%入り
つまりNISA口座を開設するだけで国民の上位10%に入れるということです
勉強やスポーツでも何でもいいですが、上位10%に入ることはそう簡単ではありません
しかし、「NISA」という競技においては「口座開設するだけ」で上位10%です
これは始めないわけにはいきませんね
増税に対する唯一の対抗手段
増税時代の救世主
増税増税で国民の生活は苦しくなるばかりです
そんな中、新NISAについては無期限非課税という異次元の制度です
裏を返せば、我々政府側ではどうにもできないから将来の備えは自分でやってね
ということなのかもしれません
その事実に国民の10%しか気がついていないのはマズイ気がします・・・
NISAは怪しくない
NISA制度について懐疑的に思う方もいるかもしれません
しかし、疑ってばかりでは仕方ありません
せっかく政府が用意してくれた素晴らしい制度です
使い倒していきましょう
旧NISAと新NISAの違い
まさに神改正!
このブログを公開する頃には2024年でしょうから
新NISAから始める人にとっては、
旧NISAについてはあまり深く知る必要はないと思います
簡単に言えば今までの超アップデート版が新NISAになります
過去(旧NISA)のことは特に気にしなくても大丈夫です
興味のある人だけ調べてみましょう
新NISAの制度説明
ここからは新NISAの制度説明です
詳しく解説していきます
対象年齢、投資可能期間、非課税期間
対象年齢は18歳以上です
0歳から始められるジュニアNISAというものがありましたが
2023年末で終了してしまいました
もしかしたら今後更なるアップデートで0歳から新NISA口座を開設できるようになるかもしれません
続いて投資可能期間ですが、
今までは20〇〇年から20〇〇年まで、など限定されていましたが
その壁がなくなりいつ始めてもよいことになりました
これは今貯蓄が少なくて投資が始められない人にとっては
しっかり生活防衛資金を貯めてから投資をすればよいのでとてもいいですね
非課税期間についても今まで5年間非課税や20年間非課税と
期間限定でしたが無期限になりました
これは複利運用していく上では非常に有利になります
年間投資枠
1年間に投資できる金額としては360万円までになっています
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが用意されており、
つみたて投資枠は年間120万円まで
成長投資枠は年間240万円まで
と決められています
この後説明しますが
1人あたりの投資上限額は1800万円と決められているので
最短5年(360万円✖️5年間)で1800万円の投資枠を埋めることが可能です
生涯投資上限
先ほども説明しましたが
生涯投資できる上限額は1人あたり1800万円です
NISAは1人1口座しか開くことができないので1800万円が非課税の恩恵を受けることができる最大値となります
仮に1800万円以上の余裕資金がある場合は税金のかかる「特定口座」での運用になります
また、新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があることも理解しておきましょう
生涯投資枠(1800万円)の使い方
先ほど、新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があると説明しました
しかし、「成長投資枠」については1200万円までという条件があります
図にすると以下のようなイメージです
ここで、1800万円の使い方のパターンを見てみましょう
パターン① 積立投資枠で1800万円
これは非常にシンプルです
ただ、つみたて投資枠の年間投資上限は120万円なので15年かけて投資していくことになります
パターン② つみたて投資枠600万円 + 成長投資枠1200万円
次は成長投資枠をフルに使い切る方法です
つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円までなので
この投資パターンだと5年で1800万円の枠を使い切ることになります
いわゆる最短で枠を使い切るパターンになります
一番はじめの「結論」で述べた理想パターンになります
パターン③ つみたて投資枠1000万円 + 成長投資枠800万円
これは、つみたて投資枠と成長投資枠を半々くらいで投資していくパターンになります
この場合は先に成長投資枠が先に埋まります(3年と少し)
その後つみたて投資枠が埋まります(8年と少し)
つまり8年と少しで1800万円の枠を使い切ることになります
ここでひとつ注意すべきなのが、「成長投資枠の上限は1200万円」だということです
つみたて投資枠を1800万円分購入することは可能ですが、成長投資枠を1800万円分購入することはできないので注意です
ここまで色々と見てきましたが、あくまでなるべく早く枠を埋める計算をしているだけなので
ご自身のペースで投資をしていくことが重要になります
無理して生活防衛資金まで投資しないように注意してください
投資商品
ここからは投資商品についてのお話です
つみたて投資枠の商品
つみたて投資枠の商品は「投資信託」と「ETF」が購入できます
簡単に説明すると、投資信託とは信託会社がお金を集めて代わりに運用してくれる商品のことを言います
自分で銘柄選定や売り買いをしなくていいので管理が非常に楽です
投資信託は1日に1度しか価格の設定がないのでリアルタイムでの取引はできません
ETFも似たようなものですが、こちらは上場しているのでリアルタイムでの取引が可能です
詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
成長投資枠の商品
成長投資枠の商品は上場株式、ETF、REIT、投資信託(高レバ投信等除く)となっています
上場株式とは、いわゆる「トヨタ」「三菱商事」「Apple」「Tesla」など有名企業の株と思ってもらっても構いません
REITとは投資信託の不動産バージョンと考えればよいでしょう
最後に「高レバ投信」とは何かだけ話しておきます
投資商品の中には「レバレッジ商品」というものがあります
レバレッジとは日本語で「てこ」のことを指します
レバレッジには「2倍」「3倍」という商品もあり、利益が出る時は2倍、3倍と儲かっていくのですが
損失もその分2倍、3倍と跳ね返ってきますので注意が必要です
基本的に、レバレッジ商品は長期投資には向いていないと言われています
そして、この高レバレッジ商品については新NISA制度では購入することができません
政府もレバレッジ商品の危険性を考えてのことだと思います
投資方法
投資方法ですが、つみたて投資枠は積立のみ、成長投資枠は一括、積立が可能となっています
つみたて投資枠ですが、国が長期投資に適したと判断した投資信託を販売しているので積み立てて投資していくことが前提に作られています
ただ、抜け道的にほぼ一括投資に近い形で投資をすることも可能です
証券会社によっては「ボーナス設定」というものがあります
これは、ボーナス月に一括で投資するやり方です
毎月の投資額を最低額の100円に設定し、(年間1200円)
ボーナス月を1月に1,198,800円に設定すれば
1月中に年間投資限度額である120万円をほぼ一括で投資することが可能です
成長投資枠ですが、つみたて投資枠と同様に積立での投資が可能です
さらに一括での投資も可能となっています
これは、個別株などリアルタイムでの取引の場合、
基本的には安値で買って高値で売るタイミングが重要になってくるため、
積立ではなく一括での購入が可能となっていると思われます
両制度の併用
これについては、新NISAから始める人にとっては
「???」といった感じだと思います
元々旧NISAでは、年間120万円まで投資可能な「一般NISA」と
年間40万円まで投資可能な「つみたてNISA」の
どちらかしか選ぶことはできませんでした
新NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」の両制度を合わせたような形になっているため
併用可の表記になっています
売却枠の再利用
まず、投資元本ベースの管理とはどういうことか説明します
投資枠が1800万円と聞くと、
利益が出て1800万円に到達した段階で枠がなくなってしまうと勘違いしてしまう人がいます
例えば、投資元本が1000万円で利益が800万円出て
現在価値が1800万円の投資商品があるとします
この場合、投資枠はまだ800万円分残っています
利益がいくら出ても元本が1800万円になるまでは投資が可能ということです
続いて枠の復活について説明します
上の図では、現在元本1500万円分を投資、残りの枠は300万円分という状況です(含み益の分は関係ありません)
例として、2028年5月10日に1000万円分売却したとします
すると、2029年1月1日に1000万円の枠が復活し、
元々あった300万円の枠と合わせて1300万円分の投資が可能となります
旧NISA制度では一度売却してしまうと枠の復活は無かったので
この点も神改正であると言えますね
以上で新NISAの制度説明を終わります
新NISAのメリット
複利効果で資産が増加していく可能性が高い
「単利と複利」のところでもお話しましたが、
時間をかけて複利で運用していくことは非常に有利です
上の画像は複利運用のシミュレーションができるアプリで
毎月5万円を30年間積立(合計1800万円)したものです
年利回りを5%で計算すると30年間で4185万円まで増えました
元本1800万円に対して2倍以上に増えていることがわかります
節約や貯金だけで2000万円以上貯めることは容易ではありません
毎月少しでも投資に回して運用していくことが大切だと思います
※あくまでシミュレーションの結果なので暴落や元本割れのリスクは当然あることは理解しておく必要があります
非課税メリットが凄まじい
新NISAでは売却益や配当金にかかる税金は非課税であるということは、説明してきました
例として、1000万円の利益が出たとして
税金のかかる特定口座では約20%の200万円が税金で取られてしまいます
しかし、新NISA口座で運用し、1000万円の利益が出たとしても税金は1円も取られることはありません
NISA口座で運用するかしないかの差だけで200万円の差が生まれてしまいます
少額投資が可能
投資信託であれば100円から始めることが可能です
初心者の方はまずは少額から始めて値動きに慣れる必要があると思います
経済は常に右肩上がりに成長はしてくれません
成長と暴落を繰り返しながら成長していくものです
具体的には山登りをイメージするとよいと思います
最終目的地は山頂ですが、
その途中では平坦な道があったり、時には下ったり、
紆余曲折しながらも最高到達点である山頂を目指すと思います
そのように大きな視点で見ることができるといいですね
また、運用している金額が気になって何度も運用画面を見てしまう方は
現在の運用額が自身の許容度を超えてしまっているのかもしれません
そういう方は毎月の投資額を減らすか、投資に慣れてから金額を増やすなどしていけばよいでしょう
新NISAのデメリット
元本割れリスクを受け入れる
投資商品である以上、元本割れのリスクは当然あります
この後、説明もしますが、15年以上の長期投資をすることによって
元本割れのリスクは格段に減っていきます(ゼロではないですが)
商品は自分で選ばなければならない
どんな資産運用でもそうですが
基本的には投資する商品は自分で選ばなければいけません
証券会社などに行けばオススメしてくれる商品はありますが、
そのほとんどが手数料の高い「ゴミ商品」の可能性が高いです
なので自分で手数料の安い商品を見つけて投資していく必要があります
とはいえデメリットはほぼ無いに等しい
以上、デメリットについていくつか述べてきましたが
ほぼデメリットはないと言えます
まずは、少額でもいいから始めてみるということが大事だと思います
1800万円の枠を埋めるのに何年かかるか?
最短5年で埋めることが可能
上の図は月額の投資額と投資限度額である1800万円を埋めるまでの期間を表したものです
月々30万円投資していけば最短5年で1800万円の枠が埋まります
一方、月々1万円では150年かかります
投資上限の1800万円を全ての人が埋める必要はありませんが非課税枠を使い切るという点では
目指すべき金額であるとは思います
自分のペースで投資していく
これまで何度も説明してきていますが
投資は余剰資金で行うことが大切です
無理をして行うものではありませんので
自分が毎月無理なく投資できる金額で行うことが大切です
1800万円は若い世代にとってはかなりの金額
投資効率を考えると1800万円の枠を
できるだけ早く埋めることが良いと言えます
とはいえ、1800万円の大金をすぐに用意できる人はほとんどいないと思います
夫婦の場合、世帯で3600万円の枠があります
とてつもない金額です
結果的に自分のペースで毎月コツコツ投資していくことがいいと思います
何年投資すればいいか?
リターンはプラスに収束していく
上の図は1969年〜2012年の世界の株価動向指数の収益率を表したものです
収益率とはどのくらいプラスだったか、マイナスだったかということを表しています
1969年〜2012年の「ある1年」を切り取った場合の収益率は
プラス67.1%からマイナス46.8%でした
つまり、たった1年のみの投資では大きくプラスになる年もあれば、
大きくマイナスになる年もあるということです
反対に30年保有しているケースでは
どの30年間を切り取ってもプラス13.5%からプラス9.1%に収束しました
これはどういうことかというと、
どんなに悪い年に投資を始めても
30年保有していた場合は常にプラスになったということです
これが私が長期投資をオススメする根拠になっています
15年以上保有した場合からプラスに収束し始めるので
少なくとも15年は保有した方がよいでしょう
逆に言えば15年保有できない商品には投資しない方がよいと言えます
全世界株式とS&P500
この後オススメ投資商品を紹介しますが、
その根拠となる、ふたつの指数を紹介します
全世界株式(MSCI指数)
MSCI指数とは世界の主要国(23カ国)の株式市場を対象とした指数のことです
世界の成長度合いを数値に置き換えてグラフにしたといったところでしょうか
1969年を「100ポイント」として2017年には「6362ポイント」まで上昇しています
途中、ITバブルやリーマンショックにより一時的に暴落していますが、
長期で見ればずっと上昇していることがわかります
S&P500
続いて、S&P500指数ですが
これは、「アメリカの最強500社の株価指数」というイメージでよいと思います
こちらも成長し続け、現在では4400ポイントを超えています
多少の暴落はありますが上昇し続けていることがわかります
ふたつの最強指数
以上のふたつの指数から
未来のことは誰にもわかりませんが、将来的に成長していく可能性が高いことがわかります
オススメ投資商品
ここからは私のオススメ投資商品を紹介します
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)という銘柄を紹介します
通称「オルカン」などと呼ばれている商品です
この商品は全世界の市場に分散投資されている商品になります
具体的な比率については以下になります
世界一の経済大国のアメリカの比率が60%超えと半分以上を占めていますが、
仮にアメリカが衰退した場合は他の国の投資比率が上昇するので
この投資信託一つでかなりの分散投資が可能となっています
また、信託報酬という手数料に当たる費用も年間0.05775%と格安な点も魅力的です
具体的には100万円の投資金額に対して約600円ほどです
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
続いて、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)という銘柄を紹介します
こちらは「S&P500」とそのままの愛称で呼ばれています
S&P500とは「スタンダード&プアーズ」というアメリカの格付け会社が選んだ上位500社のことを指しています
つまり、「S&P500」とはアメリカの最強500社というイメージでよいと思います
アメリカはGAFAM(Google、Apple、Facebook、amazon、Microsoft)
をはじめ、ずっと世界の経済を牽引してきました
今後もアメリカの成長は止まらないと予想されます
信託報酬も年間0.09372%と先ほどのオルカンに引けを取らない安さです
100万円に対して1,000円ほどです
どちらも正解
では、オルカンとS&P500どちらの商品を選べばいいのかという話になりますが、
正直言ってどちらの商品を選んでも正解だと思います
世界全体の成長を信じるなら「オルカン」
アメリカの成長を信じるなら「S&P500」
ちなみに私しゃしゃーんは、投資を始めた当初は「S&P500」でしたが
現在では「オルカン」にのみ投資しています
理由としては、現在はアメリカが最強であるが将来的に他の国が台頭してくる可能性もあると思っているからです
投資する理由は人それぞれですが
自分で考えて投資していけばいいと思います
新NISA戦略2選
ここからは新NISA戦略2選と称し、
2つの投資パターンを紹介していきます
スタンダードコース
まずは王道の投資法から紹介します
こちらはシンプルに毎月オルカンやS&P500に積立投資していくだけです
これで十分だと思っていますし、私も新NISAはこの投資法で1800万円の枠を埋めようと考えています
デメリットとしては、インデックス投資なので、年間の成長率は5%ほどが予想されます
個別株投資のように1年で2倍、3倍というようにはいきません
チャレンジコース
続いて少し攻めた投資法をご紹介します
こちらは、つみたて投資枠ではオルカンやS&P500を購入し、
成長投資枠では日本の高配当株投資を行うというものです
新NISAでは配当金も全て非課税になります
つまり、配当金が毎年増えていくような企業の場合
メリットとしては、もらえる配当金が増加(増配)しても配当金が非課税の恩恵を受けることができます
さらに、株価自体が値上がりすれば、売却して利益を得ることも可能です
デメリットとしては、個別株の銘柄選定には時間や手間がかかる上、
配当金が少なくなったり(減配)、無くなったり(無配)するリスクがあります
こちらは、銘柄選定や株式投資が好きな方向けの上級者向けの投資方法になります
出口戦略(売り方)
前述した、スタンダードコース、チャレンジコース
どちらの戦略も基本的には売らずに保有を続けます
これは複利の効果を最大限に発揮するためです
ただ、死ぬまで保有していても意味がないですから
売却する時の戦略を紹介します
スタンダードコースの場合
スタンダードコースの場合は、
「資金が必要な時に必要な分だけ取り崩す」
というシンプルなものです
人生に急な出費はつきものです
その時に必要な分だけ取り崩していけばいいのです
しかし、元本をなるべく減らしたくない方は
「4%ルール」という取り崩し方もあります(後述します)
チャレンジコースの場合
チャレンジコースのつみたて枠(インデックス投信)で運用している分は
スタンダードコースに同じです
成長投資枠で購入している日本株の利益が大きく出た場合は売却を検討する
具体的には2倍や3倍になったらという形ですが、
個別株投資は非常に難しいので私も詳しいことはお伝えできません
売却についてはご自身で判断をお願いします
日本の高配当株を購入している際には
配当金だけを受け取るようにします
そうすることによって元本を減らさずに
配当金のみ受け取ることができます
4%ルールとは?
元本が減らない取り崩し方法!?
「4%ルール」はアメリカのトリニティ大学の研究グループが発表したもの
簡単に言えば「年間に取り崩す金額が資産の4%以下であれば元本が減らない確率が非常に高い」
という結果が出ている
よくよく考えてみると当たり前なのですが
年間の成長率が7%で、取り崩しの金額が4%だと
3%の差が生まれます
つまり元本は減らずに資産は増えたということになります
具体例
具体的に例を出して説明していきます
例えば1億円の資産がある場合に資産の4%、
つまり年間400万円の取り崩しを行い
その400万円で生活していけば資産は減らない計算になります
しかしながら、税金の分など考慮していないので
400万円のうち、20%が税金で取られるとすると
80万円引かれて320万円で生活することになります
たとえ1億円の資産があっても320万円しか使えないのはなかなか厳しいかもしれません
いくら貯めればいいか
今度はいくら資産運用に回せばいいか逆算してみます
資産の4%で生活するということは
資産 × 4% = 生活資金
ということになります
つまり、
資産 = 生活資金 ÷ 4%
ということになり、
資産 = 生活資金 × 25
という式に置き換えることができます
これは何を表しているかというと
生活資金の25倍を投資に回すことができたら
4%ルールの条件は満たせるということです
具体例として、年間の生活費が200万円の人は
200万円 × 25 = 5000万円
ということになり、5000万円投資に回すことができれば
理論上4%ルールで生活することができます
落とし穴もある
もちろん、この4%ルールにも落とし穴があります
4%ルール開始時に大暴落に巻き込まれてしまうと
その後の取り崩しはかなり厳しくなってしまいます
1億円で4%ルールを開始して
翌年50%の大暴落が起きてしまうと
資産は一気に5000万円に目減りしてしまいます
5000万円の4%は200万円ですから
使える生活費が年間400万円から200万円へと一気に半分になってしまいます
こうなってしまっては生活どころではなくなってしまうかもしれません
4%ルールにはこうしたデメリットも存在することを認識しておきましょう
しかしながら、仕事は辞めずに継続している状態であれば
暴落時は取り崩しをせずに、労働で稼いだ資金で生活していけばいいと思います
旧NISAはどうすればいい?
運用方法が異なる
旧NISAをどうするか悩んでいる人も多いと思います
以下では旧NISAをつみたてNISAと一般NISA、
それぞれの場合について説明していきます
つみたてNISA運用中の方
つみたてNISAは非課税期間が20年と非常に長いです
先述しましたが、15年以上の投資では過去のデータ上は必ずプラスになっています(当然未来はわかりませんが)
つみたてNISAの場合は下手に売却せず
20年後の非課税期間が終了する時に売却するのがよいと言えます
一般NISA運用中の方
一般NISAは非課税期間が5年間とつみたてNISAよりもかなり短いことが特徴です
その代わり年間120万円と枠が大きいことも魅力的でした
ただ、5年間という非課税期間は長期投資とは言えないので、
ある程度利益が出たところで売却を考えなければいけません
私は長期投資を好む投資スタイルなので
短期投資のことは詳しくお話できないのですが、
評価額が「〇〇%上がったら」や「株価が〇〇倍になったら」
と自分の中で利益確定の時期を決めて運用していくのがいいと思います
まとめ
結論として
・新NISAを理解して、自分のペースで投資していく
・投資初心者にとってはオルカンやS&P500の投資信託で1800万円の枠を埋めていくことが理想
・まずは一歩踏み出して投資を始めてみることが大切
以上になります。
2024年は投資家として新たなスタートを切る人が多いと思います
みなさんで盛り上げていきましょう!
ではまた!
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